
最近、家づくりやリフォームの相談の中でも「ホテルライクにしたい」という言葉をよく聞くようになりました。
ホテルライクとは、「ホテルのように整った、上質で落ち着いた空間」のことだと思います。
色数を抑えたり、照明を少し落ち着かせたり、生活感の出るものを見えにくくしたり。
白、グレー、ベージュ、木目、石目などを使いながら、すっきりとした空間にすることで、日常の中に少しだけ非日常を感じられる住まいになります。
たしかに、ホテルの部屋に入った瞬間は気持ちがいいものです。
余計なものがなく、ベッドも整っていて、照明も落ち着いている。
水まわりもすっきりときれいで、なんとなく気分が切り替わる。
そういう空間は憧れますよね。
ただ、住宅でそのままホテルを真似すればいいかというと、少し違うのかもしれません。
ホテルは「泊まる場所」
家は「暮らす場所」
ホテルには、毎日の洗濯物も、学校のプリントも、調味料のストックも、掃除道具も、家族それぞれの荷物もほとんどありません。
だから生活感が出にくいですね。
でも家だと・・・
暮らしていれば物は増えます。
料理や、洗濯もします。
子どもがいれば散らかることもあります。
年齢を重ねれば、寒さや暑さ、段差、掃除のしやすさも大切になります。
だから、ホテルライクという言葉に惹かれるときも、見た目の印象だけではなく、暮らしやすさまで一緒に考えることが大切なのではないかと感じます。
収納がきちんとあり、片付けやすい。
照明がきれいなだけでなく、見やすくて疲れにくい。
デザインが整っているだけでなく、寒くない、暑くない、音が気にならない。
空気がよく、においがこもりにくく、帰ってきたときにほっとできる。
そういうことも、家の心地よさには大きく関わってくるように思います。
見た目だけを整えた家は、最初はきれいに見えます。
でも、暮らしにくさがあると、毎日の中で少しずつ負担になってしまうこともあります。


反対に、収納、動線、温熱環境、照明、素材、掃除のしやすさまで整っている家は、派手ではなくても、長く気持ちよく暮らせるのではないでしょうか。
ホテルライクな見た目の美しさはもちろん魅力ですが、そこに、暮らす人が無理なく過ごせる心地よさも重なってくると、より豊かな住まいになるように思います。
「ただいま」と帰ってきた瞬間に、少し肩の力が抜ける。
部屋が暖かく、空気がきれいで、照明がやさしい。
物が自然と片付き、家族が落ち着いて過ごせる。
そんな家には、見た目以上の価値があるのかもしれません。
ホテルライクという言葉に惹かれるときも、見た目の美しさだけでなく、そこでどんなふうに暮らせるかまで想像してみると、その人らしい住まいに近づいていくように思います。
私はそんなふうに感じています。










